漸化式の基本パターン

2017年2月1日

解ける漸化式の基本パターンをまとめておきます。難関大では解ける漸化式を解いておしまいという問題はほとんど出題されませんが、解けるものと解けないものを区別できる力、また、解ける形になったときに確実に解ける力が必要とされます。ここにあげる漸化式のパターンは必ず解けるようにしておかなければなりません。

※漸化式が解けるというのは、一般的には一般項が求められることをいいますが、高校数学ではここに挙げる初等的な解き方で解けることを「解ける」というようです。高校で数学を学ぶ分にはこのように理解しておく方が類別がしやすいと思い、ここでもそれを採用しています。ここに挙げる解法で解けないものは「解けない」とするのですが、一般項を推定し数学的帰納法により示すもの等も一般項は求まるわけですから、一般的には「解ける」といえます。

1.隣接2項間漸化式

(1) a_{n+1}=a_n+q~(q \ne 0) (等差型)
\{a_n\}は初項a_1,公差qの等差数列

(2) a_{n+1}=pa_n (等比型)
\{a_n\}は初項a_1,公比pの等比数列

(3) a_{n+1}=a_n+f(n) (階差型)
a_{n+1}-a_n=f(n)は階差数列であることを利用

(4) a_{n+1}=f(n)a_n (階比型)
→[解法1] \dfrac{a_{n+1}}{a_n}=f(n)という形にしてかける
→[解法2] 両辺適切な数をかけ、置き換え

(5) a_{n+1}=pa_n+q~(p \ne 0,~1,~q \ne 0) (基本型)
→[解法1] a_{n+1}-\alpha=p(a_n-\alpha) (\alpha\alpha=p\alpha+qの解)と変形 (特性解利用法)
→[解法2] 階差法

基本型について→解説

(6) a_{n+1}=pa_n+f(n) (p \ne 0,~1,~f(n)k次式(k=1,~2,~\cdots))
→[解法1] a_{n+1}-g(n+1)=p(a_n-g(n)) (f(n)g(n)の次数は同じ)と変形
→[解法2] 階差法

(7) a_{n+1}=pa_n+r^n~(p \ne 0,~1,~r \ne 0)
→[解法1] 両辺r^{n+1}で割ってb_n=\dfrac{a_n}{r^n}とおけば基本型か等差型
→[解法2] 両辺p^{n+1}で割ってb_n=\dfrac{a_n}{p^n}とおけば階差型

(8) a_{n+1}=p{a_n}^r (対数型)
→両辺適切な底の対数をとって、b_n=\log_c a_nとおけば基本型

(9) 分数型

(ⅰ) a_{n+1}=\dfrac{pa_n}{ra_n+s}~(r \ne 0)
→両辺逆数をとってb_n=\dfrac{1}{a_n}とおけば基本型か等差型

(ⅱ) a_{n+1}=\dfrac{pa_n+q}{ra_n+s}~(ps-qr \ne 0,~q,~r \ne 0)

このタイプは誘導なしで出題されることは極めてまれであるがゼロではない。最近では東工大で誘導なしで出題されている。下のようにして解くことも可能であるが、これをわざわざ覚える必要はないし、忘れた場合は一般項を推定して数学的帰納法で示すというのも一つの手である。

特性方程式x=\dfrac{px+q}{rx+s}を考える。この方程式の解を特性解といい、これらを\alpha,~\betaとする

(ア) 特性解異なる2実解型
b_n=\dfrac{a_n-\beta}{a_n-\alpha}とおけば\{b_n\}は等比数列

(イ) 特性解重解型
b_n=\dfrac{1}{a_n-\alpha}とおけば\{b_n\}は等差数列

2.隣接3項間漸化式

a_{n+2}+pa_{n+1}+qa_n=0~(p,~q \ne 0)

特性方程式x^2+px+q=0を考え、この2解を\alpha,~\betaとする

(1) 特性解異なる2実解型
a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_n), a_{n+2}-\beta a_{n+1}=\alpha(a_{n+1}-\beta a_n)と変形してこれらを解き、それらを引く。

※特性解の1つが1のときは、\beta=1としてa_{n+2}-a_{n+1}=\alpha(a_{n+1}-a_n)を解くとa_{n+1}-a_nは階差数列なので、それを解いてもよい。

(2) 特性解重解型
a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\alpha(a_{n+1}-\alpha a_n)と変形してこれを解くと(7)のタイプに帰着

隣接3項間について→解説

3.連立漸化式

(1) 係数対称型
\left\{\begin{array}{l} a_{n+1}=pa_n+qb_n\\ b_{n+1}=qa_n+pb_n \end{array}\right.
→第1式+第2式,第1式ー第2式を作れば\{a_n+b_n\},~\{a_n-b_n\}は等比数列

(2) 係数非対称型
\left\{\begin{array}{l} a_{n+1}=pa_n+qb_n\\ b_{n+1}=ra_n+sb_n \end{array}\right.
→[解法1] a_{n+1}+kb_{n+1}=\alpha(a_n+kb_n)と変形 (加減法)
→[解法2] 一方を他方に代入して隣接3項間漸化式を作りそれを解く (代入法)

※第1式と第2式の和か差が等比数列となるときはそれを解き、それをどちらかに代入して解いてもよい。

このパターンも解法1で解く場合はほとんど誘導がついていますが、誘導がついていないこともあります。誘導がついていない場合は※や解法2で解けということです。

これ以外の形も出題されることはありますが、だいたい誘導がありますし、ここにあるパターンを押さえておけば応用できるはずです。あてはまらないパターンは推測や実験を自分で行い、一般項を求めることになります。

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